この春先、外に出ると鼻水やくしゃみがひどい、という方も少なくないですよね。
実は家の設計次第で、こういった花粉や黄砂を室内へできるだけ取り込まないようにするコツがあるのはご存知ですか?
もちろん、花粉症を治療するわけではありませんが、少しでも対策がされている家であれば、快適に暮らせる可能性が高まります。
そのため、今回は特に花粉症や鼻炎がひどい方に必見の、新築時におけるコツをみていきましょう。
1. 花粉を持ち込まないために
花粉症がひどい方になると、家の中でも鼻水が止まらないという方もいらっしゃいます。
花王のデータでは、花粉の飛散時期に実際の家庭で曝露条件などを揃えた実験を実施し、花粉に関する詳細な測定をおこなっています。
花王の実験では、一般的な住宅を想定した場合、外気中の花粉飛散量のうち0.1~8%程度が侵入することが分かっています。
これは、一般的な生活条件でも1日あたり約2000万個に相当し、花粉を20~40個吸入すれば症状が出ると言われていることを考えると、室内にも多くの花粉が入り込んでいます。
そのうち、約6割が換気(窓開け換気含む)から侵入しており、家でも花粉症の症状が止まらない原因の1つは、家を建てる時に必須の設備である「換気」かも知れません。
1-1. 花粉対策には「1種換気」×「高気密」
上記の実験結果からわかることは2つあります。
1つは、花粉を取り込まないために家の設備でできることは、換気機器を花粉対策がされたものにすること。
そして、換気以外に外気が入り込んでくる隙間が少ない家にすることです。
また2つ目のポイントは、洗濯物などに付着して入ってくる花粉を減らすこと=室内干しできる場所を計画しておくこと、が大事であると言えます。
それでは、まず花粉を取り込まないようにする換気について、具体的なポイントを紹介していきます。
2. 1種換気で計画的な換気が大事
出典:パナソニック
まず1種換気とは、換気扇で外の空気を取り入れて、換気扇で室内の空気を排出する換気方式です。
一方、一般的に多い換気方式は、外の空気はリビングなどの部屋の給気口から外の空気を取り入れて、トイレやお風呂から空気を排出する方式です。
これを3種換気と言います。
3種換気の場合、給気口に高性能なフィルターがないと、花粉が混じった外の空気がダイレクトに入ってきます。
出典:パナソニック
それに対して、花粉やPM2.5などの空気中の微粒子をフィルターでしっかりキャッチしてから、空気を取り込んでくれる換気機器が、様々なメーカーから発売されています。
まずは、このような機器を採用することで、花粉が混じった空気を室内にダイレクトに取り入れることを防止します。
2-1. ダクト式と壁付け式がある
出典:パナソニック・カタログ編集
換気扇で給気・排気を行う1種換気には、ダクト式と壁付け式があります。
それぞれのメリット・デメリットをみてみましょう。
2つの種類がありますが、実際にはダクト式の方が一般的であり、フジタでもダクト式を採用しています。
理由は各部屋に対して、しっかり換気ができること、熱交換による省エネ効果も期待できるだけでなく、フィルターも高性能になっていることから清浄度にも差が出るからです。
なお、ネットなどでダクトの中が汚れる、という話を聞いたことがある方もいるかも知れません。
しかし、汚れているダクトの写真は、RAダクト(室内→屋外)の写真を撮っていることがほとんどで、室内のホコリが堆積したものです。(特にレンジフードなど)
屋外側へ空気が常に流れているため、ホコリが逆流してくることもなく、上図ぐらいホコリが溜まっていても、換気風量に影響は全くないと言っていいレベルです。
なお、室内に入ってくるダクトは、高性能フィルターを通過しているため、長年使っていても虫はおろか、ホコリっぽさもほとんどないのでご安心ください。
3.高気密とのセットで効果を発揮
上記で紹介した1種換気を取り入れていても、家の気密性(家の隙間がどれくらいあるかの指標)が良くないと、フィルターを介さず隙間から外気が入り込んでしまいます。
家の隙間はC値という指標で表されますが、一般的な高気密住宅ではC値:1cm²/m²以下と言われています。
ただ、この数値で言われてもピンときませんよね。
出典:日本住環境(株)
上記の表をもとにカンタンに説明すると、C値:5cm²/m²の家の場合、約15%程度しか本来の給気口から換気が行われていないことになります。
それ以外の約85%は、建物の隙間から空気が漏れ入ってきている状態で、せっかく高性能フィルターが搭載された換気機器を入れても効果が8~9割減ということになります。
一方で高気密住宅となる、C値:1cm²/m²の家の場合、約50%の空気が給気口から換気されており、比較的計画的な換気がされていることを意味します。
言い換えれば、多くの空気がフィルターのある換気扇から入り込んでいることになり、家の中に花粉を入れ込まない、という観点では気密性は重要な要素です。
3-1.フジタでは平均C値は0.5以下 ≒ 換気の有効性80%以上
出典:数字で見るフジタの住まい
ちなみに、フジタでは職人さんの丁寧な仕事もあり、C値を0.5cm²/m²以下(目安)になっており、高気密がポイントの1つになっています。
このC値:0.25cm²/m²になると、換気の有効性は約8割、そして風速や温度差によってかなり影響を受けにくい高気密な住宅になります。
4. その他の対策方法
換気以外の花粉対策としては、以下のことも有効的です。
・玄関付近にクロークを設けて、カバンやコートなどをリビングなどまで持ち込まない
・掃除をこまめにする(床面に花粉が落ちて溜まる)
北陸では、室内干しができるようなユーティリティースペースを設計することが多いですが、冬に限らず室内でストレスなく洗濯物を干すことができるスペースがあると魅力的です。
また、玄関でコートや上着を脱いで室内に持ち込まないことも意外と重要です。
同時に感染症対策にもなるため、玄関クロークには靴だけでなくコートを掛けたりするスペースがあるとよいでしょう。
4-1. フジタの事例(室内干しスペース)
出典:白山市あさひ荘苑モデル
あさひ荘苑モデルの設計には、家事スペースを取り込んでおり、四季・時間に関係なくストレスなく洗濯物を干すことができます。
湿気をしっかり排出できるよう、局所換気も設けており翌朝にはしっかり乾かすことができるでしょう。
5. まとめ
花粉症対策で、家の設計としてできる換気を中心に紹介してきました。
フジタでは換気以外でも、アレルギー反応を抑えるクロスや建材などを使うことも同時にご提案しています。
その方の予算や要望に合った設計を、設計士が同席しながら打合せをすすめていきますので、安心感の高い家づくりを実現できます。
気になった方は、現在公開中のモデルハウスで、このような花粉対策された家など、あなたのお悩みに合わせたご相談を承っています。
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