注文住宅の主流は2階建てですが、昨今では実は平屋の割合が増えてきています。
そんな平屋がひそかなブームとなっている主な理由が3つあり、今回の記事で紹介します。
また、フジタで建築した平屋の実例も参考にしながら、今回は平屋の良さをいっしょにみていきましょう。
それでは冒頭に、今回の記事の重要なポイントです。
・平屋は住宅着工から見ると10%前後の割合ではあるが、右肩上がりで割合が上昇している。
・平屋は階段がないため、バリアフリーの観点からも使いやすく世代を問わずに注目されてきています。
・コロナ禍によって街内に住む必要性が低下してきており、職業などによっては郊外の大きい土地に平屋を建てる「スローライフ」を実現しやすくなっています。
・耐震面(建築基準法の必要壁量)からも、間取りの自由度を高くしやすい。
1.平屋が着工数からも増加傾向
平屋住宅は、2階建てに比べればまだまだニッチなタイプの住宅です。
しかし、最近じわじわと平屋の割合が増加してきています。
上図は、国土交通省の住宅・土地統計調査(5年に1度行っている調査)から抜粋したものですが、オレンジ色で指し示す平屋の比率としては1990年代から年々上昇傾向にあり、2018年には11.8%となっています。
コロナ禍以前から、平屋の人気は高まり始めていましたが、このコロナ禍によってさらに郊外の平屋のニーズが高まっているとも言えます。
それでは、続いて具体的に平屋がひそかなブームになっている理由4つを掘り下げてみていきましょう。
2.平屋が人気になっている理由4つ
感染症対策で、リモートワークが普及した2020年代ですが、この生活様式の変化が新築にも新しい影響をもたらしています。
2-1.団塊の世代の第2の家
団塊の世代が定年退職を迎え、昨今の社会情勢などもあり「ゆとりのある第2の生活」を求めている人も増加しています。
バリアフリーの観点から階段がない平屋は、年齢層が高い世代からの人気も高く、建築費用も割高になる側面はあるものの、そこまで大きい家を必要としていない世代から注目されています。
例えば夫婦2人で住むだけであれば20坪でちょうどいい大きさ、25坪だとかなり余裕がある大きさになります。
2-2.都心部に住む必要性の減少
リモートワークによって出社をほとんどしなくて良くなった、もしくは週に1~2回の出社で良いといった場合、通勤のために街中に住んでいた方の考え方の変化が生じています。
現在は、業種によってはパソコン1台あれば仕事ができる時代です。
これによって郊外に新築を検討する人が、コロナ禍以前に比べて増えてきています。
郊外の土地は、比較的安く・広く・隣地と離れているといったメリットがあり、平屋を建築しやすい条件が揃っています。
2-3.階段がなく使いやすい
3つ目は、階段がないことにより、年齢や世代を問わず使いやすい間取りになります。
また単純に上下階の移動がないことに加えて、間取りやプランを考えていくと、平屋は効率のよいプランが作りやすいです。
例えば同じ35坪の住宅でも、平屋と2階建てでは実際に利用できる床面積が異なります。
2階建ては階段がある空間は、非居住スペースとなりますが、1階も2階も同じ面積分、階段が占めることになります。
階段下収納やトイレを設計上、配置することはありますが、平屋であればその面積分は居住スペースとして有効的に活用できるスペースに当てはめることができます。
そのため、土地の面積さえ確保できれば、上下階の移動を無くすメリットに加えて有効的な間取り配置ができます。
2-4.平屋は間取りの自由度が高い(耐震上 有利)
平屋は建物の耐震上、必要な壁の量が平屋と2階建てでは異なり、平屋の方が少なくて済みます。
屋根瓦など重量が重い屋根のときの場合、平屋にかかる必要壁量係数は「15」です。
一方、2階建ての場合、地震のときにかかるエネルギーが大きくなるため、地震に耐えるために必要な壁が多くなります。
そのため必要壁量係数としては、2階建ての1階部分が「33」、2階部分が「21」となっており平屋に比べて多くの柱や壁で支える必要があることが分かります。
背が低い平屋は、地震のときに受けるエネルギーが少なくて済むことや、2階がない分、壁や柱を少なく設計できることから、間取りの自由度が高まります。
もちろん、建築基準法などをクリアしやすいこともメリットであり、耐震の面からも安心感の高い住宅と言えます。
3.フジタの平屋の事例
それでは、フジタでの平屋の施工事例をみていきます。
3-1.お客様邸①
出典:白山市M様邸
ご夫婦お二人で住まわれるとのことで、平屋でゆったりとした敷地で暮らしたいとの要望がありました。
お施主様は、「平屋でもLDKの天井を高くし、吹抜けっぽさを出して欲しい」「広く見渡せるオープンキッチンにしたい」など具体的な要望を叶える形で設計しています。
インテリアも和モダンの落ち着いたインテリアになっており、キッチン上部も間接照明で仕上げ、まさにオトナの住処と言えるでしょう。
3-2.お客様邸②
「平屋ならでは」のポイントは、勾配天井を利用しリビングの天井高さを高くとっている点です。
また、単純に天井高さを上げているだけでなく、天井を複雑にしていることで、広く見せる効果と高級感を演出しています。
また、テレビの壁面にエコカラットを採用しており、白色のクロス一辺倒での単調なインテリアではなく、アクセントとなる壁面を装飾してインテリア性を上げています。
また、中庭に向かって大きな開口を設けることで視線の抜けが確保でき、開放感をさらに創り出しています。
3-3.お客様邸③
3つ目のお客様邸の事例紹介です。
こちらの平屋でも、屋根空間を最大限利用することで、LDKの天井高さを傾斜天井として、高めに設計しています。
隣接する和室には、間接照明でおしゃれに仕上げており、客間としても普段使いとしても使いやすい設計になっています。
また、和室とテラスの間には縁側もあり、ゆとりのある平屋ならではの贅沢な場所です。
また、テラスはリビングからも出入りができることで、リビングの明るさを確保すると共に、洗濯物を干したりと普段使いにも便利な設計です。
4.まとめ
事例もふまえてご覧いただいた上で、平屋の良さは「階段がなく機能的であること」や、「室内空間をゆとりのある設計にできること」に集約されます。
また事例も多く採用されている、勾配天井でリビングなどの空間を大きくとりやすいポイントも平屋ならでは、の特長と言えます。
平屋でコンパクトに設計している割に、意外と大きなリビングなどが確保できる点にも気づいてもらえると、ライフスタイルや考え方によっては平屋も選択肢の1つとして考えても良いのではないでしょうか。
落ち着いた平屋を検討する際は、ぜひフジタでもご相談を承ります。
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