家づくりを検討していると、近所に展示されていたモデルハウスが販売されている、と気づかれたことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、そのようなモデルハウスを購入することは本当に大丈夫なの?落とし穴はないの?と思っている方にピッタリな内容になっています。
モデルハウス購入にあたっての概要や、注意すべきポイントもみていきましょう。
まずは、今回の記事の結論から見ていきましょう。
・一般的に、建売のように購入できるモデルハウスは、まちなかに一定期間展示されたモデルハウスであり、試乗車のようなイメージ
・モデルハウスを購入するメリットは、割安にその会社のおすすめの仕様を購入できること
・モデルハウスだけ手抜き工事している、といったことは一般的にはかなり考えにくい
・モデルハウスを購入するデメリットと注意点は、保証の範囲と期間。
新築時には必ず付帯される構造躯体と防水の10年法定保証が効くかどうか、確認
1. モデルハウスのパターン
モデルハウスは、大きく分けて2つの形態に分けられます。
1つは「魅せることを想定したモデルハウス」、そしてもう1つはモデルハウスとして一定期間展示した後に、「通常の家として売却するモデルハウス」です。
1-1. 住宅総合展示場にあるモデルハウス
1つ目の「魅せることを想定したモデルハウス」の代表例が、住宅総合展示場のモデルハウスです。
石川県内では、金沢ハウジングセンターの県庁東会場と野々市会場の2つが代表的な住宅総合展示場になります。
これらに建っているモデルハウスは、事務所が建物内にあり営業マンが常駐している点がポイントです。
基本的に売却することは想定しておらず、5年~10年程度の展示をして、新しいシリーズが販売されると建て替えることが多いです。
大きさも平均的に60坪前後~、大きいと80坪程度にもなり、実際に見ても間取りや設備が豪華仕様になっており、少々現実離れした家が多いです。
あくまで、そのハウスメーカーの「本気」を見ることはできても、現実的な仕様・サイズは見れないことが多いです。
そのため、見学自体も「会社の雰囲気を知ること」「その会社の特徴を聞きに行くこと」が目的であれば有意義なものになるでしょう。
1-2. まちなかのモデルハウス(建物内に事務所はないタイプ)
事務所もなく、通常の家として設計されており、リアルなサイズでの設計力を見学することができます。
また、一定期間展示を行った後に売却するケースが多いことから、豪華すぎない・ある程度は魅せる仕様になっている・売れる額で設計している、という特徴があります。
フジタでも同様に、一定期間の展示を行った後に気に入っていただいたお客様へ販売しており、モデルハウス=購入できるそのまま仕様、となっています。
展示期間は会社によって異なりますが、約1年前後~長くても2年程度の展示で売却を行うことが多く、建物内に事務所がないため使い古し感もない状態が主流です。
イメージとしては、試乗車を購入するようなイメージで思ってもらえればよいでしょう。
2. 販売中のモデルハウスを購入するメリット
それでは、2つ目のパターンである、まちなかのモデルハウスを購入するメリットから深堀りしていきましょう。
2-1. 「豪華すぎない魅せるデザイン」をそのまま購入可
出典:白山市あさひ荘苑
住宅会社側からすれば「モデルハウスとして魅せないといけない」、ただし「売れるような価格帯で建てないと売れなくなる」というジレンマがあります。
そのため、魅せるデザインを割安な価格で購入することができる確率が高く、購入者側からすればオトク物件になる可能性は高いと言えます。
一方、モデルハウスとして建築している物件のため、いわゆる「手抜き工事」みたいなことを行っている可能性も一般的には低いです。
2-2. 建売と同じように入居が早い
モデルハウスは通常の家として建築されていることや、水道・電気も既に使える状態が一般的で、すぐ住み始めることができます。
そのため、注文住宅であれば契約から入居まで少なくとも半年以上は必要であることを考えると、入居を早くしたい方にはおすすめの選択肢と言えます。
また、住宅会社によっては家具や家電が付いてくる場合もあり、購入を前提に相談してみる価値はあります。
3. 販売中のモデルハウスを購入するデメリッ
モデルハウス購入においてデメリットは2つあります。
1つは、試乗車を購入するイメージに近いと解説しましたが、展示で知らない人や営業マンが入っているため、新品でないことに抵抗感がある方は避けた方が良いでしょう。
もちろんクリーニングなどを施して引き渡しをしてくれる会社が多いようですが、それでも駐車場がタイヤ跡などで少し汚れていたり、「ピカピカの新築」ではない点が1つ目です。
2つ目は工事完工日から1年を経過している場合は、中古住宅の扱いになる点が注意です。
1年以内に引き渡しが完了すれば、新築として引き渡しができるため問題ありませんが、1年以上経過している物件の購入はデメリットが大きいと言えます。
4. モデルハウス購入で気を付けるべきポイント
出典:住宅瑕疵担保責任保険協会
最後に、モデルハウス購入の際に気を付けるポイントが「住宅瑕疵担保責任保険」です。
住宅瑕疵担保責任保険とは、構造上・耐力上主要な部分および、雨水の浸入を防止する部分に関する10年間の瑕疵担保責任を対象としています。(※瑕疵=「欠陥」を意味します)
ただし、この保証は「新築」のみに適用されるため、デメリットの2点目であげたように、「中古住宅扱い」になると、この保険の適用外になります。
そのため、この構造・防水の10年保証が付くのか、付かないのか?はしっかり確認しましょう。
また、アフターサービスの無償・有償の範囲が新築の場合と違う点があるかどうか、そして設計図面以外に、省エネ計算やBELS、耐震設計の図面資料一式などがあるかの2点もあわせて確認すると万全でしょう。
5. まとめ
モデルハウスの購入は保証が新築と同様に適用されるのであれば、かなりオトクな選択肢であると言えます。
タイミングとエリアがマッチするのであれば、思い切って検討するきっかけにもなるのではないでしょうか。
ご自身が希望するエリアで、気になる会社の「まちなかモデルハウス」があれば、積極的に見学してみるとよいでしょう。
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