昨今、在宅ワークの普及によって注目を集めている「自宅に書斎を設けたい」というニーズです。
ただしこの書斎ですが、何点かのポイントを抑えて作らないと、注文住宅でせっかく作ったのに残念な結果に!?なってしまうことも。
今回は、注文住宅の書斎を設ける上での注意点・仕事に集中するための設計のコツを紹介していきます。
フジタでの事例も併せて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
それでは今回の記事の抑えるべき結論です。
・書斎で重要なポイントは「照明」「シンプルな雰囲気」「空気質」で創り出す集中できる雰囲気
・眩しくない、暗くない照度での明るさ設計が必要。
・壁に断熱材を入れると防音性もUP。テレワークでの会議が多い方は、開き戸で防音性を高めると良い
・換気と空調は非常に重要です。小窓を設ける・換気扇を1つ取り付ける・部屋に隣接する書斎の場合、空気をその部屋からもらう。
・会議などの打合せが少ない方は、ドアのない開放的な書斎も選択肢としてはあり
注文住宅の書斎で重要なポイント1:照明・窓の設計
重要なポイントの1つ目は、手元が暗くならない、眩しくない照明・窓設計です。
まずは照明についてです。
在宅ワークや読書などに使う場合、手元を明るく照らす照明設計を行いましょう。
座った時に視界に直接入ってこない位置でダウンライトを設けることや、壁を明るく広く見せるコーニス照明なども良いでしょう。
※コーニス照明:壁面を照らす間接照明の手法の1つ。壁面を照らすことで、やさしい明るさを作り出すことができます。
また、読書などで光の向きを気にする方は、ダウンライトでも光の方向を調整できるタイプもありますので、設計の時にご相談ください。
そして、書斎では「照明の色」もこだわりましょう。
在宅ワークや読書に向いている色は「昼白色」がおすすめです。
「昼白色」は、青白っぽい照明色で蛍光灯の色に近い照明色です。
あたたかみのある電球色に比べて、日中の太陽光に波長が近く、作業に集中しやすいと言われています。
一方で、寝る前に読書などをしたい、落ち着いてクラシックやジャズなどの音楽を聴きたい方は、電球色タイプがよいでしょう。
このように使い方に応じて、照明の色・配置・種類を選びましょう。
ただ寝室と隣接するような書斎の場合、夜遅くまで作業することが多い方は、光が漏れない配慮も同時に必要です。
そして窓の設計も、重要なポイントです。
書斎が配置される方角にもよりますが、座った時に眩しくないように、窓は配慮が必要です。
背の低い窓を設置する、もしくはブラインド等で光量を調整できるような設計を心がけると良いでしょう。
背の低い横長の窓は、フジタでも北安田モデルや野々市つばきの郷モデルで採用しています。
両モデルとも、手元が明るくも高さが低い窓のため、パソコン作業や読書の際に便利です。
実際に在宅ワークや読書をする時のイメージを思い浮かべながら、設計士へ相談すると良いでしょう。
注文住宅の書斎で重要なポイント2:シンプルな雰囲気
書斎で重要なポイントの2つ目は、「集中できる雰囲気つくり」です。
人によって、使用用途によって異なるため、絶対的な法則はありませんが、共通していえることは「シンプルにまとめること」です。
在宅ワークや仕事で主に使う場合、飽きがきにくいシンプルなインテリアでまとめた方が良いでしょう。
また部屋全体の雰囲気を明るく、そしてデスク周りはより明るくすることで集中力も向上する可能性が高くなります。
テレワークの際には背景が写り込んでしまう場合もありますので、あまり派手は背景ではバツが悪くなってしまうことも。
個々の好みもありますが、気が散らないシンプルな雰囲気がおすすめです。
一方、読書などで使いたい場合は、部屋のインテリアを濃色ベースにインテリア設計をすると良いでしょう。
濃色とは、ウォールナットなどの材質を使った濃い茶色~黒色などを指します。
用途や好みで、落ち着いた重厚感もあるインテリアにするのも良いのではないでしょうか。
注文住宅の書斎で重要なポイント3:空気質(換気&空調)
小さな空間になりがちな書斎ですが、重要なポイントとして空気質もあります。
換気が不足すれば、すぐにCO2濃度が上がって集中力が低下したりすることも容易に想定されます。
※出典:三菱電機HP・井上一鷹さんの著書『集中力 パフォーマンスを300倍にする働き方』
(日本能率協会マネジメントセンター)
CO2濃度が1,000ppmを超えてくると、集中力が低下してくる実験データなどもあります。
一般的な3畳程度の書斎では、締め切った状態であれば数十分で1,000ppmの閾値を超えてきます。
感染症対策として注目を集める換気ですが、このように集中力の向上にも寄与してきますので換気対策には注意しましょう。
また、小窓があれば定期的に開けることも良いです。
しかし、季節によっては花粉症・夏の暑さ・冬の寒さ・雨や雪などの問題もありますので、そこで活躍するのが換気扇です。
クローズな書斎であれば、排気を行う換気扇を1つ設置することは必須でしょう。
また、難しいのが空調でもあります。
寝室やリビングなどと隣接している書斎であれば、ドアをあけているか部屋の空気と循環させる換気扇を設置すれば良いかもしれません。
しかし独立した場所にある場合などは、空調が必要になってきます。
フジタで採用されている書斎でも多い面積としては、2~3畳程度という小さな空間です。
一般的に市販されているエアコンは、小さなタイプでも6畳用(2.2kW)です。
エアコンは、設定温度まで温冷風を出して温度を調整し、設定温度に到達すると一時停止します(サーモオフと言います)
その際に、例えば夏であれば温度がジワ~っとあがってきます。
一定以上温度が上がると、また温度を下げるような運転を再開する、ということを繰り返します。
人が中にいる小さな空間で、温度を均一かつ一定に保つことはなかなか難しいことです。
そのため寝室と隣接する、リビングなどと隣接する場合、騒音で問題がない場合は扉を開放して、隣の部屋から空調された空気をもらうことが良いでしょう。
フジタの書斎設計事例3選をご紹介
フジタの書斎設計事例① 北安田コンセプトハウス
寝室に隣接する形で書斎を設けたタイプです。
備え付けのデスクは奥行も深く、書類などもたっぷり置くことができます。
また正面には、横長かつ高さの低い窓で明るさを確保できます。
フジタの書斎設計事例② 野々市つばきの郷コンセプトハウス
野々市つばきの郷モデルでは、独立型の書斎を採用しました。
こちらのモデルでは、天井を傾斜天井にしており、書斎でネックになりがちな狭さを軽減している点がポイントです。
天井高さをしっかり確保することで、空間に広がりが生まれますので窮屈感がなく、長時間過ごすことができます。
また、正面の窓も高さを低く設計し、作業中や読書の際に、日光で眩しくならないような配慮で設計しています。
フジタの書斎設計事例③ 野々市高橋町コンセプトハウス
寝室に隣接する形での書斎を採用しました。
住宅全体が現代の和様コンセプトのため、正面の窓も障子を採用して、やさしい光が差し込む書斎に設計しています。
オープンな書斎に設計していますので、在宅ワーク以外でも家事スペースなどにも使うことができるマルチな書斎です。
あさひ荘苑モデルハウス
高天井からの柔らかな日差しで、上質空間を演出するコンセプトハウスが白山市あさひ荘苑にオープン。
メリハリある横長連続窓と、落ち着き感じるミドリの坪庭が見どころ。
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