昨今はテレワーク(在宅勤務)もだいぶ普及してきました。
中には、ほとんどの仕事がテレワークで完結してしまう方も増えており、それに伴いテレワーク・在宅勤務用のスペースを新築時に考える方も増えています。
今回は、そんなテレワークをする際において、適した間取りや設計のコツ、そして失敗しないための抑えるべきポイントを紹介していきます。
フジタの実例も交えながら、快適なテレワークを実現するためのコツを見ていきましょう。
それでは、まず本記事の要点です。
・テレワークは、家族の普段の生活ゾーンと切り離しができることが大事です
・仕事できる場所だけでなく、ZOOM会議などを行う方は特に音、そして明るさ・空気質にも注意しましょう
・寝室にワークスペースを設ける方も増えている
・ZOOM会議の頻度が少ない方は、スキップフロアやホールなどオープンなスペースを活用できる
1. テレワークを快適にするための要素
家で仕事を行うにあたって、様々な業務内容があるため、一概に決めつけることはできませんが、最低限でも抑えておくべき要素を解説していきます。
その要素は3つで、家族との距離感(特に音の管理)・明るさの確保・空気質それぞれ順番に、注意すべき点を確認していきましょう。
1-1. 音の管理
特にZOOM会議・Teams会議の頻度が多い方は、音の管理のため個室タイプのワークスペースがおすすめです。
出典:パナソニック・カタログ
書斎だけという形で部屋を設けても良いですし、建築コストが気になる方は寝室、または廊下ホールを少し大きめ(変形させて)にして、ワークスペースを設けても良いでしょう。
ZOOM会議の喋る音が気になることはもちろん、家事の音が仕事の支障になることも考えられますので、音に関するパートナーへのお互いの配慮は必要不可欠な事項です。
1-2. 明るさの確保
出典:コイズミ
勉強や仕事をする上で、照明は明るすぎても暗すぎてもいけません。
最適な明るさを確保すると同時に、光源が直接見えないような配慮まですると、快適なワークスペースができあがるでしょう。
上図のように、勉強・読書・仕事に向いている明るさは「1000lx(ルクス)」前後であり、さらに座っている位置から光源が直接見えると眩しく感じたり、気が散ってしまうため座った時にどう見えるか?は新築時の設計で左右されるポイントです。
1-3. 空気質の管理
3点目は盲点になりがちな、空気質に関する事項です。
1人でも小さな空間に閉じこもっていると、温度やCO2濃度が上がってきます。
昨今は飲食店などでもCO2センサーを置いているところもありますが、CO2濃度が上がってくると勉強などの効率が落ちてくることが分かっています。
出典:Ecofactory
3帖程度の締め切った部屋であれば、数時間もしないうちにCO2濃度は1,000ppmを大きく超えてくると同時に、温度上昇も伴ってきます。
このことから、知らぬ間にCO2濃度による眠気や倦怠感、空調管理が適切にされていない部屋での集中力低下などにつながります。
単独でのエアコンは効きすぎる恐れもあるため、空調を隣の部屋と併用するといった空調管理と、窓を設けたり換気扇を付けたりするなどの換気管理の両方が重要です。
2. テレワークできる間取りを考える際のポイント
音(ZOOM会議)が出る仕事の有無で、ワークスペースを設ける場所が大きく変わってきます。
音が気になりにくい独立型と、音が出ない作業が多い方にオススメのオープン型、それぞれのポイントを見ていきましょう。
2-1. 独立型
上記のテレワークを快適にする3つの要素でも紹介した「音」「明るさ」「空調換気」の中で、独立型のワークスペースで特に注意が必要なモノが「空調」です。
2~3帖の部屋に単独でエアコンを設けると、効きすぎたりサーモオフし過ぎる問題が想定されます。
サーモオフとは、エアコンが設定温度に到達すると、一旦運転を一時休止する運転のことを指し、温度が一定以上変化してきた段階でエアコンは動き出します。
この運転→休止→運転、というサイクルを繰り返して温度を一定に保つため、小さすぎる部屋に設置すると、効きすぎて休止期間が長くなったり、風のON / OFFが気になったりと、あまりおすすめできません。
そのため、寝室やW.I.C等にワークスペースを併設する場合も、寝室のエアコンを運転させ、サーキュレーターなどで上手く空調管理ができるような設計がおすすめです。
2-2. オープン型
リビングの一角などにワークスペースを設けるパターンでは、個別で空調などを設置しなくて良いメリットがあります。
また、独立型に比べて建築コストを抑えやすく、2階ホールやダイニング横、スキップフロア(中二階)などに設けることが多いです。
リビングやダイニングであれば、お子さんの勉強スペースにもなり、多様な使い方ができます。
3. テレワークの要望を叶えたフジタの事例とポイント
それでは、フジタの事例をもとに、ワークスペースでの「こだわりポイント」や、真似してほしいポイントを紹介していきます。
3-1. 寝室併用型①
出典:金沢瑞樹モデル
1例目は、寝室に併設する形の書斎スペースです。
在宅勤務にも読書にも使えるスペースで、掘りごたつ形式になっています。
天井高が低い場所を利用していますが、地面のカーペットに座って足を落とす形で利用することで、天井高を気にせず使えるようにしています。
3-2. (半独立)寝室併設型②
出典:金沢市S様邸
寝室の一角にカウンターを設けたワークスペースです。
寝室で注意したい、「寝たときに眩しくない照明設計」と「仕事や勉強などに使える明るさ」を両立させた点がポイントです。
カウンターまわりは間接照明が机面を明るくしていますが、ベッドからは離れているため、眩しさは感じません。
また、鏡をカウンターに置いたらドレッサーにもなり、1日の生活シーンで幅広い使い方ができる場所です。
3-3. 寝室併用型③
出典:白山市北安田モデル
3例目も1つ目と同じく、天井高さが低いスペースを掘り下げ式にすることで、狭さを感じさせない設計にした事例です。
目の前に横長の窓があることでも、気持ちよく仕事などができるのではないでしょうか。
3-4. (オープン)スキップフロア(中二階)型
2022年時点で見学できるモデルハウスからの紹介です。
階段の途中をスキップフロアとし、ワークスペースを設けています。
北面に大きな窓を設計しており、日中はやさしい光が差し込みますが、前面道路からの視線は、高さによってカットすることができる工夫を仕込んでいます。
また、同じようにリビングから小上がりの場所にワークスペースを設計した事例です。
リビングを見下ろすような形で設計しているため、家族の気配を感じながら仕事ができますので、ご主人の仕事だけでなく、奥様の仕事・作業にも活用できます。
3-5. (オープン)LDKのワークスペース
出典:白山市Y様邸
LDKの横に長めのカウンターを設けた事例です。
一列に家族が並んで、作業や勉強など仕事以外にも活用できるスペースで、オープン型のスペースのメリットを最大限に活かせる事例となっています。
4.まとめ
在宅勤務だけでなく、パソコンなどでの作業が多くなる昨今で、このようなワークスペースは間取りの聞き取りの際にも増えているニーズの1つです。
家族で住む家であることから、まわりへの配慮と快適な在宅環境を両立できるような設計をフジタではご提案しております。
ワークスペースを設けたモデルハウスも見学可能になっていますので、お気軽にご相談ください。
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