多くの方は、新築では2階建てを検討されます。
2階建てになると確実にある階段ですが、階段下スペースはムダになりがちです。
間取りを検討している方の中でもどんな活用方法がいいのかな?と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回はまず階段の種類から紹介し、階段下スペースの様々な活用方法をご案内していきます。
それでは、今回の記事の要点をまず見ていきましょう。
1. 階段の種類
階段は手すりなどがオープンなタイプか、箱型階段と呼ばれる両側に壁があるタイプと、大きく2つに分類されます。
1-1. オープン階段
手すりや蹴込板(階段の段差の間にある垂直部分をふさぐ板・足のつま先が当たる部分)がオープンになっている階段は、リビング内階段で多いパターンです。
インテリア全体をおしゃれに仕上げやすく、階段がリビングの象徴的な存在になり、吹き抜けを設計する時にも、よく採用される階段です。
また、直でオープンな階段だと、少し恐怖感を持たれる方もいらっしゃるため、家族ごとの間取りや価値観に柔軟に合わせて設計します。
1-2. 箱型階段
一方、箱型階段は階段の両側もしくは片側を壁で支える階段を指します。
一般的に多い階段は、図面で見るとU字型(もしくはJ字型)になっている箱型階段です。
なぜ一般的に多くなるのか?それはコンパクトに設計できること、そして普遍的な使いやすい間取りに合いやすいから、です。
階段の種類や特徴を詳しく知りたい方は、
石川の注文住宅だから選べる階段デザインの種類。階段のタイプごとの特長と事例を解説! も合わせてご覧ください。
2. 階段下スペースの活用法①:居室スペースの ”余白”
出典:野々市つばきの郷 モデル
オープン階段での活用方法ですが、居室スペースに含まれる形で階段下には何もない状態で設計します。
ただ、これもムダなスペースではなく、空間に奥行き感を持たせるために存在しています。
階段は1階・2階部で面積を取ってしまいますが、オープン階段にすることで「余白」になり、部屋を大きく見せるために役立ちます。
またオープン階段は、スタイリッシュな仕上がりを演出するだけでなく、この余白があることで高級感や住んでからの満足度につながります。
間取りの効率を求める考え方もよいですが、このような余白を楽しむオトナの考え方もよいでしょう。
3. 階段下スペースの活用法②:収納
出典:白山市北安田モデル
もっとも多いパターンが収納にするパターンです。
階段は勾配や間取りによって、階段下に作れる空間の大きさがまちまちです。
また、人が入ったり廊下にしようとすると、頭をぶつけてしまう可能性も高く、人が入れるような設計をするには、それなりの配慮が必要です。
そのため実際はデッドスペースとなり、収納スペースにするケースが多くなりますが、それも高さや奥行き、場所に応じて設計しないと ” とりあえず収納 ” になってしまいます。
そうならないよう、「何を入れるのか?誰がどのように使うのか?」まで考えられた設計を建築士と共に検討しましょう。
4. 階段下スペースの活用法③:トイレ
活用法の3つ目は、1階のトイレスペースにすることです。
実際の出現率は収納と並んで多く、階段下収納を有効的に活用する方法となります。
ただし、階段下トイレは実は設計力が試されるポイントでもあります。
それは階段の設計が分かっていないと、頭をぶつけたりするようなトイレ空間になってしまうからです。
出典:パナソニック
階段下にトイレ空間を設計する場合、階段がトイレ空間の上部に入り込んできますが、階段との兼ね合いを考えないと、「頭をぶつけるトイレ」が出来上がってしまいます。
1階スペースを圧縮することだけに意識が集中していると、「×」の図のような階段を設計して、かなり窮屈感のあるトイレになります。
一方、「〇」の図では階段の10段目がトイレ空間と重なりますが、10段目はおおよそ2m近くまで高くなっているため、頭をぶつける恐れはかなり少なく圧迫感もほとんどありません。
このように、階段だけ・トイレだけを考えていると失敗ポイントになってくるため、営業だけでなく設計士が同席して打合せを行う会社の方が安心感が高いでしょう。
5.階段下スペースの活用法④:土間収納 or 外部収納
出典:白山市あさひ荘苑
最後の活用法は、土間収納(もしくは外部収納)です。
室内から使うことを想像しがちですが、玄関横に階段がある場合は玄関の土間部分を延長して土間収納にすることもできます。
土間収納は、アウトドアやスポーツをよくするご家族であれば年中活用する収納であり、また石川県ならではの観点ではスタッドレスタイヤの置き場にしても良いでしょう。
また、外部から使える収納スペースにする案もあり、タイヤの置き場所として決まっている場合や、インナーガレージを併用している場合には外部から使える収納場所として活用するのもおもしろいです。
6.まとめ
階段下スペースは家づくりで何を重視しているかによっても変わってきます。
階段は間取りを組む際に、間取りを大きく変える部分でもあるため、まずはどんな家にしたいのか?を考える方を優先した方が良いでしょう。
オープン階段が象徴的なカッコイイ家がいいか、もしくは階段をあまり目立たせたくないのか、イメージでも良いのでパートナーと話し合ってみましょう。
また階段を廊下に置くのか、リビング内階段にするのか、こういった観点でも変わってくるでしょう。
そういった家族内の価値観を整理してからでも、階段下を有効的に活用する案を考えるのは遅くありません。
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