落ち着いた飽きのこない大人のテイスト、和モダン。
今回の記事では、和モダンデザイン住宅として「オシャレにするポイント6個(外装3つ+内装3つ)」と、それをふまえて設計された実際の事例を紹介していきます。
このように、インテリアを和モダンで仕上げたい方を中心に必読の記事です
和モダンってどんな家?
そもそも和モダンってどんなインテリア?私が求めているのは和モダン?といった漠然とした部分を、明確にしていきましょう。
和モダンとは
まず和モダンとは、簡潔に言うと「日本建築のような落ち着いた木のぬくもりが感じられる雰囲気かつ、現代風なシンプルスタイルでスタイリッシュにまとまったインテリア」です。
考え方としては、「現代的な暮らしスタイルに伝統的な素材を取り入れるスタイル」と言えます。
・従来の日本建築のような木のぬくもり
和モダンで非常に重要な要素です。
まず内装建具(ドア)では、障子のように格子状になったデザイン性の高い建具がよく採用されます。格子状の間仕切りなども、目隠しとして採用したりします。
また床には木質床材以外に畳も使用するとともに、天井にも天井板を貼ったり空間全体で木のぬくもりが感じられる雰囲気に仕上げていきます。
場合によっては、壁もクロスではなく羽目板(壁面を木目で作る)・漆喰・塗り壁などを採用することもあります。
・現代風なシンプルスタイル
和モダンでもう1つ重要な要素がシンプルにまとめること。
時には、アイアン階段・オープンキッチンのような日本建築とは一見、相容れない存在に見える要素を全体のバランスを考えながら入れ込みます。
木目と言うと「茶系」になりがちですが、例えばウォールナットや黒檀といった濃い色の木材を使って、「黒・白」のスタイリッシュな和モダンに仕上げることもあります。
・外観はシンプルで大きな屋根が特長
そして外観は大きな屋根が特長です。
取り入れる屋根としては、片流れ屋根(屋根が1面・1方向に傾斜がある屋根)や、切妻屋根(屋根が2面・山型で左右に分かれている屋根)といった形状が多いです。
さらに庭が前面にある場合、屋根の軒(屋根が建物から出っ張っている部分)を伸ばして、縁側を作ったり、四季に応じて日光を取り入れる量を調整したりします。
外壁も白色・黒色をベースに、ワンポイントで木目や縦格子を採用するテイストが多いです。
和モダンはこんな人におすすめ
和モダンは、「シンプルスマートなモノが好きで、落ち着いた和風デザインが好きな人」におすすめです。
例えばこんな方に、和モダンは向いています。
・持っている財布やカバンなどは柄もなくシンプルなモノが多い
・畳は、正方形で様々な色の畳に魅力を感じる
・木のぬくもりや、木目のインテリアが好き
・部屋にモノをあまり置きたくない
・和風でも間接照明や、ペンダントライトにこだわりたい
和モダン自体が、「和風+シンプル」であることから普段使っているモノも、シンプルなモノを使っている方で、和風のテイストが好きな方はピッタリなのではないでしょうか。
和モダンにする際にオシャレにするポイント
和モダンと一言で言っても様々なインテリアがあります。
フジタが空間デザインをコーディネートする際に実践している、オシャレにするポイントを紹介していきます。
和モダンの外観をオシャレにするポイント
外観の観点で、こちらの3点がオシャレにするポイントです。
・屋根形状はシンプルかつ大胆に
・外壁の色目は、ホワイト / グレー / ブラック / 木目 をバランスよく配置
・モダン要素として、タイル・アイアンなどを必要に応じて取り入れる
まず入母屋のように複雑な屋根でなく、シンプルで大きな屋根を大胆に設計していきます。
外観は玄関や接道側からの見え方が重要になってくるため、角度に応じた見え方も考えながら屋根形状も検討していきます。
そしてカラー配置としては、ホワイト / グレー / ブラック / 木目の中から2~3色をバランスよく配置することです。
コーディネートしている色が多いとごちゃごちゃした印象になるため、できるだけ1~2色+ワンポイントで、シンプル・モダン感を創り上げていきます。
そして玄関・テラスなどにタイルやアイアンなど、落ち着いたモダンな要素を必要に応じて取り入れていきます。
これにより、外観を派手でなく大人な外観に仕上げていきます。
和モダンの内装をオシャレにするポイント
続いて、こちらの3点が内装を和モダンでオシャレにするポイントです。
・部屋に取り入れる光を適切な量に抑えて、明るさの濃淡を付ける
・吹き抜けなどは基本少なくし、天井を抑えて和の風情を出す
・造作家具なども色合いや材質の色合いは統一しつつも、モダン要素として鉄やガラスなどをあえてキッチンなどに差し込み、木目でコテコテの和風にならないように工夫
和モダンをデザイン設計するため、意匠設計上にフジタでまず気を付けている点は、光が明るすぎにならないような設計にすることです。
「和を感じたい」と言われるお客様には、部屋に自然光が入り過ぎて明るくなりすぎないよう設計しています。
古来の和風でも、障子などを活用したり、やわらかい光を適度に取り入れる「わびさび」の考え方が似ているのではないでしょうか。
そのため、落ち着いた間接照明・天井面・壁面であえて陰影を作り出し、部屋の中が均一に明るくならないようにコーディネートします。
部屋全体が均一的に明るいと、趣のない空間(味気がなく風情が出ない)になってしまいます。
また和モダンで重要な要素としての2つ目が、天井を抑え目で設計することです。
天井が適度に高くなりすぎない方が和風な雰囲気が出るため、吹き抜けは基本取り入れません。
そして3点目は、造作家具に至るまで色合いの統一性(木目や材質)+モダン要素を大事にしていることです。
例えばベースをオーク系にするのであれば、空間全体の色目・木目・材質はオークで統一した上で、モダン要素となる鉄・ガラスなどの素材をキッチンなどに取り入れます。
フジタの和モダン参考例3選
それでは、実際の実例を基にコーディネートのポイントをみていきましょう。
上荒屋コンセプトハウス(2019年)
まず外観はホワイトとグレーのシンプルなデザインにしています。
内観は、ベースカラーをオークで統一しています。
そして明るすぎないリビングの中に段差のある天井とクロス・天井材の使い分けによる空間のコントラストで、メリハリを付けています。
そしてワンポイントとしても、鉄の柱やリビングの壁面をグレーの石目調タイルでモダンな印象を出しています。
北安田コンセプトハウス(2012年)
「上質な心地良さ」をコンセプトに、ベースカラーをホワイトにしたモダンテイストを基調にしています。
このシンプルなモダンの中に、落ち着いた和のテイストを取り入れつつギャラリーのような、落ち着きのある空間に仕上げています。
ホールなどは、天井・壁面に天然素材でアクセントをつけた空間デザインで設計。
そしてダイニングとリビングは段差を付けることと、床面の素材を変えることで、1つの続きの空間でありながら、縁が不思議と切れた印象を出しています。
北安田コンセプトハウス(2016年)
たたずまいは、日本家屋のような大屋根を特長にしたコンセプトハウスです。
リビングは全面開口の広々した窓を設けていますが、中庭から見える景色には視線の留めをあえて作っています。
これにより、だだっ広さでなく1つの区切られた空間が創る心地よいプライベート感があります。
上の2物件が和モダンのセオリー通りの設計であるのに対し、少し明るめの空間を創る設計になっていますので、明るい雰囲気の方が好みの方はこちらも参考になさってください。
あさひ荘苑モデルハウス
高天井からの柔らかな日差しで、上質空間を演出するコンセプトハウスが白山市あさひ荘苑にオープン。
メリハリある横長連続窓と、落ち着き感じるミドリの坪庭が見どころ。
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